今日のテーマはユーザー中心の組織論です。
この書籍は「ものづくりをしている組織がどうあるべきか?」ということについて書かれている書籍です。
その中で「機能別チームから目的別チームへ」ということについて考えていきたいと思います。
書籍によると、共創を生むのは役割ではなく目的であり、チームで価値のあるものづくりをするためには、多様な専門スキルを持つエキスパートたちを掛け算しなければいけない、そして、そのためには決められた業務役割ごとに分業する役割別チームではなく、特定の目的のために様々なエキスパートを集めたチームすなわち目的別チームを形成する必要があると書かれていました。
そして、この目的別チームをの特徴は、「1つの目的のもと自身の役割にとらわれず、自律的に行動する」というのが大きな特徴で、そのためには「具体的でワクワクする目標」を言葉にできるかが非常に重要だということでした。
この目的別チームを作るということなんですけども、非常に難しいテーマだと感じています。
というのは、私自身が学生時代に体育会アメリカンフットボール部に所属をしていて、今思えばというところになりますけども、当時は相手チームに勝つというシンプルな目的があってそこにいろんな能力を持った人間が集まって一つになってという感じだったと思います。
ただ、社会に出て、会社で働くようになってから、会社としてチームとしてまとまりを感じることが難しさを感じていて、 その原因が会社としてチームとして一つにまとめる目的や目標がないことだと思っていました。そしてその時に 経営理念の大切さも実感したことがあります。
また、会社では、結果が求められることから、売上利益の向上やそのために仕事のスキル能力が優先されて、経営理念を伝える、浸透させると言った取り組みはどうしても後回し、もしくはないがしろにされてしまうということも感じました。
ですので、この目的別チームを作るという考え方を取り入れることはそれなりにハードルも高いと感じるのですが、ものづくりに限らず、色んな会社に当てはまるといいなと考えてみました。
そこで実際に、私が、現在運営している社会保険労務士事務所で当てはめて考えてみた時に、具体的でわくわくする目的や目標を手伝ってくれている妻やパートさんに示すことができそうかを検証してみました。
例えば、「給与計算結果を「迅速に」「正確に」「安く」お届けする」といったことが考えられるのですが、この内容を具体的にすることはできると思いましたが、ワクワクする目標に昇華させることが、非常にハードルが高いと感じています。
似たような内容で、吉野家の事業は「うまい」牛丼を「早く」「安く」提供することですが、 先ほどの「迅速に」「正確に」「安く」との違いを考えてみると、「うまい」牛丼を「早く」「安く」提供してもらえることは、吉野家のターゲット顧客である忙しいサラリーマンにとっては「嬉しい」ことであり、おそらく社員さんはそこに対して貢献していこうという気持ちになりやすいと思います。
一方、「迅速に」「正確に」「安く」は、当事務所のターゲット顧客である中小企業の経営者や人事労務担当者にとっては「嬉しい」というよりは、「できて当たり前」ということであり、そこに対してスタッフがワクワクを感じるかというとそうではないと思います。
つまり、当事務所のようなアウトソーシング事業など、労務提供型ビジネスを展開している会社においては、具体的でワクワクするような目的目標を作り出すことは難しいものがあると感じました。
なぜなら、顧客にとって嬉しく感じるサービスを提供、そのサービスを提供することに貢献することを通して、社会の役に立っていることをイメージさせる言葉がなかなか見つからないのと、他社を圧倒するクオリティの高いサービスを提供することが困難であるかもしれないからだと思います。
ということで、この組織論に書かれていたことを、当事務所のようなアウトソーシング事業に展開できそうかという検証をやってみました。
なかなか、ハードルが高いことがわかりましたが、大事なのは「やってみて、わかった」ということであり、この結果を、また、何かに活かしていけたらと考えています。
今日は、ユーザーズ中心組織論について考えてみました。
見てくれた方の日常を変えるヒントになれば嬉しいです。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。